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死んだオヤジをキッカケに、好きなクルマやバイクについての駄文を連ねる様になった男のくだらないblogです。

ブログを始めた理由…

平成24年9月17日。
家族でさえ“殺しても死なない”と思っていたオヤジが、家族の誰にも看取られる暇(いとま)もなく逝った。
死因は『肺塞栓』とされた…オレ的には病理解剖をして欲しかったのだが、おふくろや妹たちの
「これから身体にメスを入れたところで、パパが帰ってくる訳じゃない!」という言葉に、諦めざるを得なかった。
血栓が肺静脈で詰まってしまいガス交換ができない…既に30分も心臓マッサージを続けていて、仮に蘇生したとしても何らかの障害は残るだろう。
心臓マッサージを続けられたオヤジの胸部は青タンのように変色し、その表情に血の気はなかった…「もうイイだろう…よく頑張ったよ」伯父の一言に背中を押され、やっとおふくろも目の前に展開された現実を受け止めた様だった。
 
その数日前、職場で「具合が悪い」と休憩室で休んでいたオヤジは、少し調子がよくなった…と
10時の休憩明けからラインに入ろうと立ち上がったところ、突然意識を失ってそのまま倒れてしまった。
職場の人が救急車を呼び、持病の高血圧でかかりつけの病院へ担ぎ込まれようとする途中、救急搬送される身である筈の(意識を取り戻した)オヤジは、サイレンの響く救急車の中でおふくろに
「とりあえず(病院に)行くから」とケータイで連絡していたというのだから呆れてしまう。
結果、そのまま入院し治療を始めることになったが、薬との相性が悪く腎臓から内出血。
治療方針を考えましょう…と投薬を止め3連休に入った3日目の朝のできごとだった。
 
『建具職人』だったオヤジは飛行機、鉄砲(狩猟)、アマチュア無線…そして何より「バイク」が好きだった。
そのバイクも1960~70年代に発売されたホンダの『CL(しーえる)』という“スクランブラー”と呼ばれる車種。
くねるエキゾーストパイプとアップマフラー、そしてそのマフラーから吐き出される“吼える様な”サウンドが特徴的で、バイクに興味のないおふくろでも、家に帰ってくる「オヤジのCLの排気音(おと)」だけは判別できたという…。
一時期は50cc~450ccまであったCLシリーズのラインナップの内、CL65とCL125(5型)、CL135の3種類以外は全て手に入れていた…という狂いっぷり。
もちろんオヤジの“おこづかい”の範囲内でコツコツ集め、エンジンのオーバーホールからフレームの塗装といったレストアを行い、そして完成したらそのバイクに乗る…の繰り返し。
一時は50台程あったらしい…最盛期よりは減ったが、実家は仲間内から「CL御殿」とまで呼ばれたほどだ。
 
面倒見が良く、酔えば10分で3回同じ話をするけれど、敵は作らず仲間から慕われていたオヤジ。
「吹けば飛ぶよな“バイク乗り”。いつ何時(なんどき)、己の命盗られとも、悔い無き道を選び行くべし」
「“バイク乗り”は『ブーメラン』。バイクに乗るからには、自ら勢いよく飛び出したとしても、元の場所に戻ってくることが課せられた責任である」
…そんなオヤジに教えられた、いまオレが自らに課している“人生訓”である。
 
葬式でホントは祭壇に、38年間ワンオーナーのCL450を飾りたかったのだが、いまは“床の間バイク”状態なので、代わりに1964年式のCL72を飾ることにした。
オヤジの還暦祝いに妹と義弟が準備した『ネーム入りの赤いヘルメット』と春に買ったばかりだというelfのライダースジャケット、そして愛用のライディンググローブを脇に添えて。
オレ的には火葬場まで鎮魂歌(レクイエム)代わりに最後のCLサウンドを聴かせてやりたかったのだが、施主の手前それは叶わず、出棺の時に棺桶に向けてエンジンを掛け、ブリッピングして排気煙を浴びせてやるのが精一杯。
でも、オヤジは決して“自分のバイク”の排気煙を浴びたくは無かったはずだ…。
 
…期せずして10数台のバイク(+部品)の面倒を見ることになった。
元々自分は2ストロークの弾ける様な加速が好きで、従兄弟に譲ってもらったRZ250(4L3:1982年式)を長年所有しているのだが“フレームの錆が目立ってきたな~”とバラしたっきり10数年の放置プレイ。
これを「部品の状態だと場所とるから…」と(オレに無断で)組み立てたのがオヤジの最後のレストア?になった。
 
CL72(1964)とRZ250(1982)、そしてオレ(1974)。
メーカーも年式も何もかも違う…と思いきや“ボア×ストロークが一緒のパラレルツイン(54mm×54mmの並列2気筒:247cc)”というのに気付くとだんだん愛おしくなってきた。
 
 ●CL72(タイプ1):空冷4ストローク並列2気筒 OHC 2バルブ 24ps/9,000rpm 車両重量153kg
 ●RZ250:水冷2ストローク並列2気筒 ピストンリードバルブ 35ps/8,500rpm 乾燥重量139kg
 
タイヤも新品に取り替えて乗る気満々だったんだろうに…自賠責の残りもあるし、オレがCL450に乗るには大型自動二輪免許も要る…就職してから家にあった、その時乗れるバイクをチョコチョコ借りて乗っていたとはいえ、旧車に…というか「バイク」に本格的に乗るならオレ自身の“リハビリ”をせねばなるまい。
その前に、『先輩』であるこの“ほぼ50年前のバイク”に乗せて頂く身として粗相の無い様に「いまの日常交通の中で不満なく走らせられる様にするべく整備する必要があるだろう」…と判断し、ひと冬かけて劣化していると想像が容易なハーネス類やワイヤー類をネットを駆使して可能な限りリプロ品や新品部品に取替。
それ以外も可能な限り手を加え、時にはオヤジの仲間…否「先輩たち」に教えを乞いながら整備し、走れる様になる頃にはGWが終わっていた。
 
“リハビリ”の場所には昔、AE86で散々通ってドラテクを磨いていたとある峠道を選んだ…というか、そこしか浮かばなかった。
札幌の隣町にまたがるその峠道は4km程、どちらから始めても上りがあり下りがあり、高速コーナーもタイトコーナーもある。
路面状態はお世辞にもよくはないが交通量もそれほど多くはなく、コースのレイアウトから“シミ”に至るまで一通りアタマに入っている…違うのは乗っているのが『二輪』か『四輪』かな位だ。
 
いざ乗ってみると…「楽しい」。
1989年式のNSR250R(MC18)が一応乗ったことのある最新のバイク…という自分の“モノサシ”で考えると、乗ったことはないがヘタないまのSS(スーパースポーツ)よりもはるかに安全なレベルで、走る・曲がる・止まる…に不満なく走らせることができる。“限界が低い”のではない、『官能性能が高い』のだろう。
何より、RZと一緒で“回していくと楽しい”のがとても以外な印象だった。
 
…とりあえず、CL72とRZ250の修理・カスタムといったバイクの話をメインに“気が向いた時、ネタがある時”、「Rough(ラフ)にabout(アバウト)に」に更新していこうと思っています。
ご笑覧頂ければ幸いです。
 
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